「une femme journaliste」 power×makiさん
本年度年初の1月は、makiさんとの対談です。
京都在住の雑誌ライター、makiさんは常に時代の先端へと単独エスケープ中。そんな彼女が自転車に馳せる思いは?ファッション×自転車の解は?そもそもジャーナリストと自転車の接点は何なのか?
男性が中心の自転車界において、好感度10000%なるmakiさんとの甘美な対談2002年1月!

- power
- 「こんにちは。実はお会いしたのはこの前の年末が初めてなんですよね。今日はどうぞよろしくお願いいたします。」
- maki
- 「こちらこそよろしくです。普段はインタビューをする方なので、逆の今回はかなり戸惑っています。張り切りすぎてすっかり風邪をひいてしまいました。子供みたいですね。」
- power
- 「張り切って頂いて風邪までひいて下さるなんて、光栄です。体調に無理の無い範囲で今日はお願いします。では簡単に自己紹介をお願いできますか。」
- maki
- 「中京区に住んでいるイケズな京都人です。アパレル商社勤務を経て、現在フリーライター6年生。」
- power
- 「ライターといえば文章を書くお仕事をされているわけですよね。でも『フリー』だからといって無料で仕事をしているわけではない。勘違いしないように気をつけます。誰も勘違いしませんね。」
- maki
- 「・・・しませんね。普段は 『HanakoWEST』 をメインに 『popeye』 などのマガジンハウス各誌、他 『Meets Regional』 などの関西情報誌に書いています。あとはイレギュラーで『女性自身』 『SPA!』などの週刊誌から、 『VOGUE NIPPON』 『FIGARO japon』 『VOCE』 などのファッション誌まで、様々な編集部と仕事をさせていただいています。グルメもファッションもやる、出版社ごちゃ混ぜ、その節操のなさ、統一感の欠如は関西一に違いありません。」
- power
- 「わー。お噂に違わぬ世界を股にかける超売れっ子ライター。多方面にご活躍されていらっしゃるんですね。気持ちがしり込みしてしまいました。・・・・今日は楽しかったです。どうもありがとうございました。」
- maki
- 「はいっ、ありがとうございましたー。って・・・コラ☆」
- power
- 「やっぱり。ではmakiさんに質問します!自転車の雑誌は読まれたことがありますか?」
- maki
- 「ありません。」
- power
- 「・・・・今日はとても楽しかったです。どうもありがとうございました。」
- maki
- 「コラー!」
- power
- 「エヘ。では、普段、自転車には乗りますか?」
- maki
- 「乗ります。逆立ちはできませんが、自転車には乗れるのです。」
- power
- 「そのお気持ち察します。私は逆立ちも出来ませんし、逆上がりも一回では出来ないかもしれません。それでも地球は回るのです。それでも自転車に乗るのです!おすしも地球も回っているのです。あどうぞ、お願いします。」
- maki
- 「でも、1年半前に河原町通りに住むようになって、ずいぶんとその機会が減りました。実はこのサイトを訪れるようになって以来、新しい自転車が欲しくてたまらないのですが、周りの人に『でもいつ乗るのん? どこに乗っていくのん?』と聞かれれるたびに意気消沈してしまいます。・・・で、そんな私がここに登場してもよいものなんでしょうか?」
- power
- 「もちろんですよ。しかし、京都の街中に住んでいて自転車を持っていないのは、砂漠でラクダが無いようなものではありませんか?言わせて下さい。『いつ乗るのん?』『どこに乗って行くのん?』そんな問いは無意味な命題を取り上げて、さも重要なように扱い悦んでいるだけではありませんか?例えばリストランテやレストランに問われるべきなのは『シェフの薀蓄哲学』なぞよりも、『味やサービスはどうか?』といった本質的な事ではありませんか?偉そうに失礼しました。ここで私が言いたいのは、makiさんも乗らはったら楽しいかもしれぬ。という単純な点です。」
- maki
- 「ふむふむ、単純にラクダを飼えばいい、と。そういうことですね? 了解☆」
- power
- 「乗り物の中で最も好きなものと最もキライなものをあげてください。」
- maki
- 「乗り物全般が好きです。荒海のヨットやジェットコースターまでOKです。そういえば子供の頃、キカイダーの運転するサイドカーに乗せてもらいたい、と熱烈に憧れていました。・・・ん。あれは仮面ライダーでしたっけ? まぁどっちでもいいのですが、実をいうと今でも乗ってみたいです。最もキライなものは平均台です。」
- power
- 「キカイダーでしょうかね。平均台が駄目なんですか。それは『あたしは平均の女じゃないわよ!偏差値2002!』ということですか?・・ひょっとして今のワタクシ、大変に失礼なことを口走っているのではないでしょうか。」
- maki
- 「まったく失礼ではありませんが、さっぱり訳がわかりません。風邪がうつりましたか? ところでpowerさんの好きな果物は桃、では、キライな乗り物はなんですか?」
- power
- 「はい、みんなが立ち止まっている動く歩道がキライです。それとは対称的な桃が大好きです。」
- maki
- 「ああ、これはとてもわかりやすいお話ですね!」
- power
- 「自転車にまつわる思い出は何かありますか?」
- maki
- 「突然開いた停車中のベンツのドアに激突して喉をしこたま打ち付けたこと。友達とのおしゃべりに夢中で、サドルを盗まれていたことに気づかず、いつも通りにまたがって相当痛い思いをしたこと。なんだか痛い思い出ばかりです・・・泣。」
- power
- 「泣かないで下さい。聞いているこちらの方がキゼツしそうです。痛いのは嫌いですから。注射もいやです。さて、ジャーナリストと自転車の接点とは、一体何でしょうか?」
- maki
- 「ライターになって、しかもいきなりフリーで仕事を始めて丸5年が経過しましたが、相変わらず自転車操業なところ? とりあえず日々ペダルを踏みしめるように、地道に、マイペースで仕事をしているので。しかも毎日違う風景、違う人に会えるところが気に入っています。」
- power
- 「うーむむむー。むむむー。MUMUー。こうしてお聞きしていますと、何と言いますか、こう、makiさんのライフスタイル、それこそがサイクリングなのですね。そしてmakiさんこそが真のサイクリストでいらっしゃるような気がしてきました。では、次の質問です。京都に居を構えておられる訳ですが、元気都市、京都は自転車文化が栄えていると思いますか。」
- maki
- 「とにかく数が多いですよね。もしも私が市長になったら(TVドラマの見すぎ)、第一に自転車置き場をあちこちにたくさん作ります。例えば、御池通りに出現したヘンテコな池のオブジェの代わりに。」
- power
- 「その節は駐輪無料にして頂きたいものです。何故自転車を駐輪するのに有料なのか。1秒間に1350万回の浮動小数点演算命令を実行するスーパーコンピューターを使っても解けません。さて、オブジェといえば、デザイン。デザインと来ればジャージと連想されますが、レーサーパンツをはいて、ジャージを着、ヘルメットをかぶる自転車の格好についてどう思いますか、自分がしてみたいですか?」
- maki
- 「CAFE OPALで、BABAさんが背中にポッケの付いたジャージを着てはるのをはじめて見たとき、騒々しいほどに驚喜してしまいました。かわいすぎますね、アレは。あのシャツだけは着てみたいです。スパッツを履いて、その上に敢えてオーガンジーみたいな柔らかい素材のギャザースカートをフワフワとコーディネイトするとクールでしょう。でも・・・ヘルメットのカタチはやっぱり妙ちきりんな気がします。」
- power
- 「妙ちきりんという言葉が気に入りました。妙きちりん。あ、間違えた。そうそう、makiさんが記事を書かれるハナコウエストやフィガロで自転車特集、ってやらないでしょうか?」
- maki
- 「女性誌でたまに小さくやっているのを見たことがありますよ。でも想像ですけれど、自転車の魅力のなかには、メカ的なところ、スペック重視な感覚も少なからずあるでしょう? そういう部分が女性誌、ファッション誌とは相容れないかもしれませんね。」
- power
- 「なるほど。そういえばフィガロで女の子のロード自転車が紹介されていましたね。」
- maki
- 「2/5日号『2002年の流行りモノ。』、ですね。このサイトのコアな読者なら覚えていらっしゃると思いますが、以前私がBBSに書き込んだネタ、ズバリあれがカタチになったページなのだと思われます。」
- power
- 「21世紀は女性の時代、と言われていますよね。そのような変遷の中、22世紀、いやひょっとすると21世紀の前半にもファッションロードレースの時代、と形容される日が来るのではないかと、私はビビビと直感するのです。自慢ではないのですが、この直感は大体はずれます。必要なのはスタイルに物怖じしない勇気なのかもしないですね。それから、橋本聖子を筆頭として女性サイクリストは、足が太い方も多数いらっしゃいます。美を追求されておられるmakiさんはどう思われますか?」
- maki
- 「スポーツによって鍛えられた体は何であれ美しい、と思います。でも女性の場合、ご本人にとっては、足、とくにももが太くなりすぎるとサイズの問題で普段のオシャレの幅が狭まったりするのが悩みでしょうね。ちなみに今はじめて自分の太ももをこっそり測定してみました。どうも右脚のほうが1センチほど太いみたいです。powerさんはどうですか?」
- power
- 「普通の人と比較すれば足は太いですよね。左右で言えば右の方が太いですよ。けれども私は基本的には長距離なので、無茶苦茶太くも無いでしょう。makiさんは何かスポーツをされるんですか?」
- maki
- 「どうやら運動神経を母の胎内に置き忘れてきた気配。人生最大の忘れ物です。」
- power
- 「素敵な表現に惑わされそうです。質問質問。自転車のパーツで一番好きな部分はどこですか?」
- maki
- 「好きかどうかわかりませんが、その存在が気になって仕方ないのは、タイヤの空気栓(キャップ)。黒くて小さいヤツ。あれは・・・空気を入れた後、いくら締めてもきっちり締められた気がしないのですが、やっぱり気持ちだけでもしっかり締めたふりをするほうがよいのでしょうか? これを機会にアイツの存在価値を教えてください。」
- power
- 「ロードの観点からすれば存在価値は、ありません。存在価値:0.000(世界最高記録)です。刺身のパックに入っている菊の花です。なぜならアイツは空気漏れを防ぐ役割では無いからです。」
- maki
- 「そうだったのですか。今までまんまとだまされていました! くーっ☆」
- power
- 「さて、自転車で私は競技をしているわけですが、自転車でレースをすることについてどう思いますか?」
- maki
- 「自転車レースをしている人の背中の曲線と、前を見つめてクッとかかげられた頭の角度がとてもセクシーだと思います。」
- power
- 「イエイ!さて、自転車の花形は何でしょう。私はロードだと思うのですが。」
- maki
- 「んと、新聞配達屋さん?」
- power
- 「はぁー?」
- maki
- 「・・・んぢゃ、ロード。たぶん・・・きっと。・・・いや絶対、ロード!」
- power
- 「皆さんそう思われるみたいですね。パンク修理についてはどう感じますか。自転車との係わり合いの中で、私は出来れば避けたい部分なのですが。」
- maki
- 「いつも近場の自転車屋さんに修理してもらっていますが、タライに水を張って。。。という方法があまりにもアナログなスタイルで、呆気にとられてしまいます。穴の開いた部分に貼り付けるパッチがとてもキッチュでキュートですね。そういえば私の胸部には今、お医者さんにもらった咳止めパッチ(勝手に命名)が貼られています。ちょっぴりキュートですが、効き目のほどは定かではありません。ゲホゴホ。」
- power
- 「効いていないのですね。そうです、先日競輪選手の松井君と話をして、インタビューも掲載したのですが、makiさんは競輪に行ったことがありますか?競馬は?競艇は?競輪のイメージは?一度に質問しすぎですか?ちなみに私はどれにも行った事がありません。」
- maki
- 「大学が西宮にあったので、最寄り駅すぐの阪神競馬場は絶好のデートスポットでした。競艇のイメージは「一日一善!」です。あってますか? 西宮けいりんにも興味本位で一度だけトライしたことがありますが、おじさんたちの視線が怖くて、結局中までたどりつけませんでした。・・・目が回りそうですよね、アレ。」
- power
- 「目が回って金網にぶつかった人がいたと松井君は言っていたのですが、ウソだと思います。さて、自転車の魅力とは何だと思いますか、ただ道路と平行に移動するだけなんですが。」
- maki
- 「風を感じられるところ。においとか、温度とか、音とかも含めて。とても詩的だと思います。」
- power
- 「私は自転車にクールさを見出そうとしているのですが、ジャーナリストから見たクールさとは何でしょうか。」
- maki
- 「うーん・・・何かしらん。ところで、時間稼ぎのために質問を返しますが、答えは見いだせたのですか?」
- power
- 「曖昧なのですが、自転車(ロード)のクールさは『寂しさ』と深く繋がっていると感じています。独りで人気の無い中を黙々と走る。この点だけをスチルとして見れば寂しいですよね。このサイトの表紙の人みたいですね。若しくはあの人が歩いていると想像してみれば、その寂しさは計り知れないですよね。ですが自転車は空間をそれなりの速度で移動していて、且つ肉体を酷使しているので、静止していれば本来は寂しいのに、そんな気はしない。というより無意識でしか認知されない。結局、楽しさやしんどさが圧倒的に優位なのです。ところがそこで反対に、寂しさを視座として楽しさを眺めると、そこにクールさが発現してくる。これこそが私の思うところの自転車のクールさです。一方レース自体は別に寂しく無く、スポーツという枠の中での格好良さは存在していると思います。」
- maki
- 「うむぅ、難しくて目が回ってきました。つまりはラクダを・・・(以下自制)。感覚的に、自転車にはクールというより『シャープ』というイメージがありますが。ちなみに、powerさんのイメージは『チャーミング』。」
- power
- 「チャーミング!初めて言われました。『人の心をひきつけるさま。かわいらしくて魅力あるさま。魅惑的』な形容動詞ですが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・超クール。やっぱり人をひきつける僕ちゃんなんだなあ!」
- maki
- 「コラ☆(バシッ!)・・・いやいや、みなさま、気なさらずに、話を前へ進めましょう。私にとってのクールさとは、風邪をひいても恋にうつつをぬかしていても彼氏にふられても〆切を守ること。」
- power
- 「プロ意識、ですか?」
- maki
- 「いや、どちらかというと意識朦朧、です。孤独でシビアな戦い、です。でもpowerさんの自転車×クール論と同じく、その戦いは決して寂しいものではありません。」
- power
- 「書くためにmakiさんはありとあらゆるレストランを食べ歩いているとか。ロードレースでは、レストランに行かない代わりに背中のポケットに補給食を入れて走りながら食べます。グルメであるところをライバルに見せ付けたいなら、何を食べると良いでしょうか。」
- maki
- 「食べ物ではないですが、色およびサイズ的に、ヴーヴクリコのミニボトルを入れておくのがクールでカッコいいとおもいます。ただし、コルクを抜いている間に自分が抜かれる可能性、大。」
- power
- 「音をたてない様に抜かないといけないのですね。」
- maki
- 「もちろん☆」
- power
- 「シャンパンといえばフランスに行かれることがあるとお聞きしましたが、自転車文化の違いは感じられますか?」
- maki
- 「現在ヒット中の映画 『アメリ』 を観れば、一目瞭然ですね。まだ観ていない方もいらっしゃると思うので浜村淳のようには詳しく語れないのが残念ですが、ツール・ド・フランスの映像と自転車乗りのブリキのオモチャが、それぞれほんの一瞬なのにとても効果的に使われていて感動させられるのです。でもこれは、フランス人ならではの発想と感覚でしょう。日本で咄嗟にこのことに気付けるのは、私のようなイカれたフランス狂か、powerさんのようなクールなサイクリストだけかもしれませんね。」
- power
- 「映画を観ている途中ではなぜ 『アメリ』 がこれほどまでに騒がれるのか、分からなかったのです。ところがツール・ド・フランスが画面に移った刹那、その満員の映画館の中で自分が最も輝いている人間のような気がしたのですよ。実際にそうだったに違いありません。おしゃれ好きな女の子よりも誰よりもサイクリストこそが必見の映画と言えるでしょうね。そんなことはどうでも良いとして、フランス語で自転車のことをVELOと言うのが格好悪いのですが、どうにかなりませんか。」
- maki
- 「どうにもなりませんが、「un velo」がどうしても気にくわないなら、「une bicyclette」、でも構わないと思います。powerさんたちが乗っていらっしゃる「自転車」は、「une bicyclette」のほうじゃないかしらん? 両方とも自転車という意味なのに、「velo」は男性名詞、「bicyclette」は女性名詞であるところが奥深いですね。理由は知りません。」
- power
- 「お!そうだったのですか。訊いておいて良かった!でも、VeloNewsといったサイトがあるように、競技はVELOとすることも多いみたいですね。そうそう、マスコミに近い存在でいらっしゃいますので、お聴きしたいことがあります。日本での自転車は競技人口の低迷という問題があります。どうすれば解決するでしょうか?」
- maki
- 「とにかくルックスのいいヒーローが現れて、アイドル化、メディアに取りあげられる。powerさんがその役割を担おうとするなら、素晴らしいことです。いちばんに応援します。」
- power
- 「いやあいやあ、ありがとうございます。makiさんに一番に応援してもらえると言って貰っただけで人生右肩上がりです。何を言っているのでしょう☆では、最後の質問です。ビンラディンは生きていると思いますか?」
- maki
- 「とりあえず、うちにはかくまっていません。」
- power
- 「どうもありがとうございました。」
- maki
- 「自転車についてこんなに神妙に考え、語ったのは生まれて初めてでした。楽しかったです、ありがとうございました☆」
魅力満点のmakiさんの☆マークに翻弄されながらも、『自転車に普段乗らない人でも簡単な質問から大空へ羽ばたける』そんな強烈な実感を得ることが出来る対談だったのではないだろうか。
さらに、ロードが全ての人にとって如何にバチグンでクールなのかを、またひとつ別の角度から再確認することも出来た。ここに、胸を張って甘美な対談200201を終了したい。あなたは前方で独り逃げつづけるmakiさんを捕らえることが出来るか!!A bientot!
power(2002/01/31)
関連事項
- HanakoWEST
- http://www.hanakowest-cafe.com/index.html
- popeye
- http://popeye.magazine.co.jp/
- meets regional
- http://www.lmaga.jp/meetsnew/
- SPA!
- http://spa.fusosha.co.jp/
- VOGUE NIPPON
- http://www.vogue.co.jp/
- VOCE
- http://www.joseishi.net/voce/
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