「velotaxiチーフ」 power×こうたろう氏
虫の音が心地良くなってきましたね。もう夏も終わりですか。
ところで京都でvelotaxiなるものが走っているのをご存じでしょうか?実は私、この夏に乗ってきたのですが、その面白さに、その優雅さに、その美しさに、その面白さに吃驚してしまいまいた。
8月末のインタビューは、そのvelotaxiのチーフとして活躍しておられるこうたろう氏とです。
果たしてvelotaxiとは一体何なのか?velotaxiドライバーとして何を感じておられるのか?ズバリvelotaxiはクールなのか?新しい時代の幕開けを予感させる乗りもの、velotaxiの神髄に迫るインタビュー!

- power
- 「こんにちは。お元気ですか?」
- こうたろう
- 「はい、こんにちは、元気です」
- power
- 「そうですか」
- こうたろう
- 「そうです」
- power
- 「では、よろしくお願いします」
- こうたろう
- 「望むところです」
- power
- 「手始めに、と言っては何ですが、簡単な自己紹介をお願いしたいのですがどうでしょう」
- こうたろう
- 「はい、1973年11月27日生まれ射手座A型の現在28歳です」
- power
- 「これでこうたろう氏の全貌が明らかになりました!大スクープです!」
- こうたろう
- 「何言うてんの。京都市上京区在住」
- power
- 「上京区在住!うえぎょうくではなく、かみぎょうく。(人差し指を立てて)ポイントですね!」
- こうたろう
- 「はいはい。所持免許は、普通自動車免許、大型自動二輪免許、無線従事者免許。これは4級です。これくらいですかねー。なんか履歴書みたいだなぁ」
- power
- 「そうです。自転車を通して人の履歴や人生の襞を垣間見るのがこのインタビューの隠れた目的なのですから」
- こうたろう
- 「趣味ですか?デブ、写真、お酒、ツーリング」
- power
- 「あのー、訊いてないんですけど」
- こうたろう
- 「そうやねー、長所といえば京都人らしい所かな」
- power
- 「そうやねー、じゃ無くってですね・・・」
- こうたろう
- 「うーん、短所ですか?同じ点ですね」
- power
- 「・・・よくわかりました。京都人と言えば私も京都人。本日は京都人×京都人のエキサイティングな対談になる予感がしてきました!」
- こうたろう
- 「私もです」
- power
- 「ではこうたろうさん、単刀直入に行きます。今はこのように素敵な方でいらっしゃるのですが、振り返ってみて、自転車に乗り始めたのはいつの頃でしょうか?」
- こうたろう
- 「正確な年齢とかは覚えていませんが、確か一番古い記憶は5,6歳の頃です。父の仕事の関係で、兵庫県に住んでいるときに、家の前がすぐ海で、堤防の下で補助輪付の自転車に乗っていた記憶があります」
- power
- 「海を見ながら自転車。絵になりますね。いいですね。今はどんな自転車に乗っていますか」
- こうたろう
- 「ロードとMTB一台ずつです。ロードは真っ赤な古いタイプのフレーム、Vitus(ビチュー)、MTBはGIANTこれもまた赤いです」
- power
- 「赤が好きなのですか?」
- こうたろう
- 「はい。かなり。何故か赤いものを選びがちですねー。目立ちますし。」
- power
- 「目立つのは大切な事ですよね。ところで私が競技をやっていたので少しお訊きしてみたいのですが、こうたろうさんは自転車競技に興味はお持ちですか?」
- こうたろう
- 「ありますな~。詳しくはありませんが、ツールドフランスなどツアーものが好きです。もちろんトラックなど短距離なものも好きです」
- power
- 「そうなんですか!トラック競技が好きだと仰る時点で偏差値72くらいだと思います」
- こうたろう
- 「それは何の偏差値なのでしょう。私がやるとしたら、体格的には後者向きだと思うのですが・・・」
- power
- 「いや、むしろクライマーじゃないですか?」
- こうたろう
- 「そうなんですか?この体でいけますかね?」
- power
- 「勿論冗談です。難しいかと思います。失礼しました」
- こうたろう
- 「クライマー向き・・・か」
- power
- 「全然聞いてないし・・・。こうたろうさんの好きな乗り物は何ですか?」
- こうたろう
- 「二輪車ですかね」
- power
- 「とおっしゃいますと?」
- こうたろう
- 「つまり、自立出来ないものや、体が乗り物の外に露出しているものが好きです。割と危険を伴うものが好きなのかもしれません」
- power
- 「そ、そういえば危険な男の香りがしています!」
- こうたろう
- 「そうそう、触れると切れるでーっておい!!どんな香りなんですか!」
- power
- 「普段どんな乗り物に乗っていらっしゃるんですか?」
- こうたろう
- 「主に自転車、スクーターですかね。しかし友人に借りていたカブ90を盗まれたり、スクーターの方がパンクしていたりと散々な時期もあって、その時はずーと自転車でした」
- power
- 「私は最近カブ50を盗まれまれて散々でした。しかし、その後はずーっと自転車です」
- こうたろう
- 「忽然と消えている現場に行くと、そこにあるべきカブが点線で見えました」
- power
- 「わかります!velotaxiとは何ですか?」
- こうたろう
- 「むちゃくちゃ唐突ですね。いいでしょう。お答えします。velotaxiはドイツで生まれた自転車タクシーです。全世界21カ国で運営されています。今回日本はアジアで初めての運営となります」
- power
- 「velotaxiの目的はそもそも何なのでしょうか?」
- こうたろう
- 「営業範囲内でお客さんが行きたい所にその人を運ぶ。ということでしょうか」
- power
- 「タクシー的役割ですね」
- こうたろう
- 「そうです。もちろん活動に賛同していただいているスポンサーさんの宣伝塔になるという目的もありますが」
- power
- 「ふむ、ふむ。こうたろうさんはvelotaxiで何をされているのですか?」
- こうたろう
- 「velotaxiのドライバーです」
- power
- 「かみ砕いて言いますと?」
- こうたろう
- 「自転車タクシーをお客さんを乗せてこぐ人ですね」
- power
- 「なるほど。それはわかりやすいですね・・ってまんまですね!velotaxiはどこで乗れるのでしょうか?」
- こうたろう
- 「今現在は、営業範囲が京都市の一部の地域に限られていて、京都の烏丸御池にある新風館というショッピングセンターや、四条通りの京都大丸、三条御幸町にある1928ビル前で主に停留しています。それ以外でも範囲内であれば、手を上げるなど合図をすれば乗ることが出来ます。お客さんを探して、ウロウロしていますので、気軽に声を掛けてください」
- power
- 「結構限られた範囲になりますね」
- こうたろう
- 「今後は範囲を広げる予定です」
- power
- 「そうなるのが楽しみですね!ところで、気になるお値段の方は、いかがでしょう」
- こうたろう
- 「料金は大人300円、2歳以上6歳未満は200円です」
- power
- 「安い!確かに安い!これなら日経平均株価が8000円台に突入しても気軽に乗れますね」
- こうたろう
- 「でしょう?気軽に声を掛けて下さい!」
- power
- 「ヘイvelotaxi!」
- こうたろう
- 「ヘイ、まいど!」
- power
- 「こうたろうさんはvelotaxiのチーフだそうですが、それは分かり易く言うと何ですか?」
- こうたろう
- 「現在チーフ、キャプテンもしくはキャップと呼んでいるのですが、は4人いて、私はその内の一人です。分かりやすく言えば、まとめ役ですかね。新しい情報をドライバーに伝達したり、休憩をまわしたりと。その他にも、新しいアルバイトが来た時の教育係もします。velotaxiの走らせ方、接客の仕方、人生相談や、今日の晩御飯のアドバイスに至るまで、やさしく丁寧に教えています」
- power
- 「頼もしい存在と言うことですね。こうたろうさんにぴったりです」
- こうたろう
- 「ありがとうございます。なんせ最年長ドライバーですので。」
- power
- 「いつも動き回っていらっしゃるようですが、velotaxiのドライバーをしていて、面白い話がありますか?」
- こうたろう
- 「たくさんありますよ。営業範囲内に住んでいる男の子二人兄弟がveloのファンで、日曜日になると1週間のお小遣いを貯めてきて乗ってくれるんです。最後にはいつも御両親の待つ新風館に行くんですが、チップにチュッパチャップスくれるんです。もーそれがかわいくて。お兄ちゃんがまずくれて、弟も負けじとくれます。最近来ないなーと思っていたら、他のドライバーがチュッパチャップス2本持っていて、ああ、あの兄弟乗せたやろ。なんて話してます」
- power
- 「それはかわいいですね。しかし、かわいさの中に潜む緊張感も私は感じました。果たしてちゃんとおとうさんおかあさんのところに戻れるだろうか、ひょっとするとこのままこの宇宙船のような乗り物に乗せられて連れ去られてしまうのでは無かろうかと、こわごわ座っている子供達を乗せて進むvelotaxi。無事に生還した暁にはチュッパチャップスで盛大に祝いをしているのですね」
- こうたろう
- 「えらくまた大袈裟な・・・」
- power
- 「やっぱり」
- こうたろう
- 「しかしそう言う所は無きにしもあらずでしょう。がんばって貯めたお小遣いでvelotaxiに乗った後のチュッパチャップス。これは彼らには最高の時でしょうね。いつもありがとう。名も知らぬ兄弟よ!」
- power
- 「いえいえ、どういたしまして。ハイ私ではないと。突っ込まれる前に自分で突っ込んどきました。次に、乗り物としてのvelotaxiに注目してみたいと思います。フランス語でveloとは自転車の事ですよね。velotaxiと自転車の接点は何ですか」
- こうたろう
- 「え~、ペダルをこいだら進む!という点でしょうか」
- power
- 「本当なんですか?ペダルをこぐだけで進むんですか!そ、それってもしかして・・・・」
- こうたろう
- 「自転車ですね」
- power
- 「全くそうですね。身勝手に興奮してみました。他にはありますか?」
- こうたろう
- 「velotaxiは三輪ですし、三ケツ(三人乗り)ですし」
- power
- 「ということはですよ、ちょっと待って下さい、今計算しますから。筆算です。・・・・・私の計算結果によると三人乗ることが可能なのではないか」
- こうたろう
- 「どこも計算するところは無いねんけど」
- power
- 「分かり易く言えば、三人の人が乗ることの出来る乗り物であるということですね」
- こうたろう
- 「もうええっちゅうねん!」
- power
- 「はい、つっこみありがとうございました」
- こうたろう
- 「後、環境に優しい!でしょうか。排気ガスを出しません」
- power
- 「ええ?排気ガスを出さないんですか!!!そ、それは」
- こうたろう
- 「自転車なら普通ですよね」
- power
- 「普通ですね。ところで自転車ってとても楽しい乗り物だと私は常に思うのですが、運転手としてvelotaxiをこぐ気分はどうですか」
- こうたろう
- 「最高です。とても気持ちが良いです」
- power
- 「多少形態を変えたとしても、自転車は自転車として常ににバチグン性を保持するのですね。それで、注目されているということですが実は先程velotaxiに載せて戴いて、視線が痛かったですが、その当たりはどうなのでしょう」
- こうたろう
- 「注目されている事は、気持ち良いですな。けれども視線はかなり痛いですね。繁華街の幹線道路を横断する時などは、指差して口あけて、あ~って言っている方をたびたび目撃します」
- power
- 「暑そう、と言われるとか」
- こうたろう
- 「本当です。事実、もーそ(注:ものすごく)暑いです。残暑でも日中30℃を超えてきますので、もうくらくらです。私は汗かきな方なので、汗だらだらでこいでますと、必ず言われますね。『あ!velotaxiや!はじめて見た!あつそ~・・・』てな具合です」
- power
- 「そんな意味でも注目度はバチグンですよね。で、velotaxiはカッコイイですか」
- こうたろう
- 「ズバリ、カッコイイです!マシン、ドライバー、お客さん共に」
- power
- 「velotaxiはクールですか」
- こうたろう
- 「ズバリ、クールです!!デザイン、走り方、佇まい、笑顔共に」
- power
- 「ふーむ。クールですね。ますますvelotaxiが魅力的に見えてきました。velotaxi×夢の答えは何ですか」
- こうたろう
- 「世界制覇!!!ですかね。とりあえず日本各地でvelotaxiが当たり前のように、一交通機関として走っている世界を目指しています」
- power
- 「日本の他の都市でもvelotaxiが走る計画があるということも小耳に挟んでおりますが、velotaxiが日本で最初に選んだ都市は京都ですよね。どうしてなのでしょう」
- こうたろう
- 「京都の町は自転車サイズの町ですし、かといって町人全員が自転車に乗っているもしくは乗れる訳でもないので、自転車タクシーはベストな相性だと思います。そして、足の悪い方やベビーカーの親子には、“歩くには遠いけれどタクシーに乗るほどでもないし、バス停までには距離がある。地下鉄も階段の上り下りがちょっと”という事結構あると思うんです。そういう時に自転車タクシーが近くにいればとても利用しやすいと思います。と言うわけで、相性抜群!」
- power
- 「ふむー。velotaxiドライバーの視点からしましても京都は自転車の街なのでしょうか」
- こうたろう
- 「そうですねー。確かに自転車を持っていると大変便利な街ではあると思います。極端に上り下りしていませんし。街が大きくもなく小さくも無い。実際自転車移動がメインの人が多いんじゃないかな。でも、その割には駐輪場や自転車専用道路が少なかったりして都市自体が自転車に優しいかどうかは?ですね。京都はもっと真剣に自転車を取り巻く環境を考えても良いんじゃないかな」
- power
- 「その糸口になるのがvelotaxiなのではないかと期待していますね。まだ始められてから数ヶ月ですが、velotaxiに望まれることはありますか、問題点とかも含めて」
- こうたろう
- 「近い将来に、今の営業範囲をもっと拡大して、範囲内の様々なポイントを結んでいきたいですね。駅、商業施設はもちろん、学校や病院、老人ホームなんかもいいですねー。営業時間も今よりも長く、朝の出勤時間とか夕方の買い物時間にも、あちこち走ってみたいですね」
- power
- 「velotaxiで出勤したり、通学したりすることがあれば面白いですね」
- こうたろう
- 「問題点は、始めたばかりですので色々あるとは思いますが、先ずは皆さんにまだまだ認知されていないこと。それから車体のメンテナンス性をもっと向上する必要があると思います。さらに京都という都市に合わせた運営、人材育成のマニュアル化などが挙げられると思います」
- power
- 「メンテナンスってかなり大変なのでしょうか?私はパンク修理が好きではないのですが、大丈夫ですか?」
- こうたろう
- 「そうですねー、メンテは大変ですね。ドイツで作られた車体を直接輸入していますので、消耗品やその他の部品を交換する時も、日本に無い若しくは手に入りにくい部品などもありまして苦労しています。今後は日本でも扱いやすい車体にカスタムしていく予定です」
- power
- 「結構大変そうですね・・・。でも難しい問題をクリアしていって欲しいです。それでは、こうたろうさんにとってvelotaxiとは?」
- こうたろう
- 「ん~むつかしい質問ですが、やりがいのある仕事ですし、velotaxi自体にかなり期待しています。本当に広まっていって欲しいしそう出来るようにがんばりたいと思います」
- power
- 「私も強く期待していますね。で、好きな果物は?」
- こうたろう
- 「昔は迷わずバナナでしたが、今は、やはり桃かな」
- power
- 「最近桃が好きだという方が増えてきていらっしゃるようです。私もあのやさしい肌触りと心地よい口当たりと立ち上る香りが大好きです。それで私の好きな果物は・・・」
- こうたろう
- 「桃でしょ?」
- power
- 「ピンポン大正解です!それよりも、頭に浮かんだのですが、桃型のvelotaxiを走らせるっていうのはどうでしょうか?乗った人には桃がサービスされるんです」
- こうたろう
- 「おお!それはすばらしい!!題して『純日本産 桃太郎チャリタク』ですな!」
- power
- 「実現の見込み、ありそうですね!て、無いですね。ハイ。独りで想像して楽しみにしています。さて、今日はどうもありがとうございました!」
- こうたろう
- 「こちらこそ!」
ここで告白しよう、私はvelotaxiを低く評価しすぎていた。だが乗ってみて直ぐに悟ったのである。これはとても面白い乗り物だと。これを読まれている全ての方が一度お乗りになってみることを強くオススメしたい。
軽妙なやりとりの背後に存在するドライバーとしての誇りと、愉しみ。この対談で私は氏の目の中に吸い込まれそうであった。
velotaxiをこぐこうたろう氏を後ろの座席から眺めながら、私が羨望の炎を燃やしたことは秘密として胸の奥にしまっておきたい。
power(2002/08/30)
関連事項
- velo taxi 公式サイト
- http://www.velotaxi.jp/
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