強引な決意
それはちょっとした出会いの中の、ちょっとした会話からだったんです。僕が伊豆にツーリングに行っていた頃、母の実家の青果店を営む叔父が釣りの途中で足首を複雑骨折し、人手が足りないので手伝いに来て欲しいと連絡が入りました。母の実家は中田青果店といい、諏訪の旅館やホテルに野菜、果物を卸しており、その配達の手伝いに借り出されたんです。名前は忘れてしまいましたが、このとき失業中の板前さんが一人手伝いに来ていました。29歳くらいで妻子を抱えている方でした。配達を一緒にし、昼ご飯なども一緒したりしていたので次第に打ち解けてきまして、僕が就職で悩んでいると話をすると、矢継ぎ早に色々な職種を言ってくれました。
「商業高校かあ。それじゃあ、会計事務所、銀行、整備士とかは?専門学校へ進学とか・・・。」
特にこれと言う職種はありませんでした。しかし最後に、
「あ、あのーきつい仕事で勤務時間も長いらしいけど、お金をとるなら佐川急便っていう会社がいいみたいだよ。」
「へー月にいくらくらいもらえるんですかね?」
「50万円くらい。でも、大変らしいよ。」
「50万円?ですか。」
本当に50万円貰えたら、
「えーっと・・・」
月に40万くらい貯金できたとして・・・2年少しで?1000万円が貯まる?! この会社で働けば月に50万円がもらえる。3年間働けば1000万円が貯まるかもしれない。もし、1000万円あったら、梶さんみたいな夢の自転車世界一周は夢じゃないかもしれない。勤めさえすれば・・・高校卒業で50万円は魅力的でした。仕事内容がハードでも、それだけもらえるのならと・・・。それからというもの、僕はその給料の話を半信半疑で考えつつも、学校帰りに、どこかで佐川急便のドライバーを見付けると、自転車を止め、じっと見つめるようになりました。
「おー、走ってる、走ってる。」
いつも走っているその姿を見ては、
「あの人が月に50万円もらっている人なのかあ・・・。」
と羨ましい気持ちで見ていました。いつも汗して忙しそうに必死に走っていましたから、
「月給50万円って言うのは本当ですかあ?」
なんて聞く勇気はなく、給料に対しての憧れだけが先走っていました。
「あそこで頑張れば、少しでも可能性があるのなら・・・僕にも梶さんみたいな自転車世界一周ができるかもしれない。」
そして決意してしまいました。
「絶対佐川急便に入って1000万円貯めて世界一周に行くんだ。」
仮に資金を貯めて実現したとしても、その後どうなるのか、自分の将来の保証はどこにないことは承知していまいました。でも、
「今とか、今日って言うときは二度とやってはこない、夢や目標を持ったのなら、その実現に向けて最大限の努力をすべきだ。若き日々への挑戦として全力を尽くすべきだ・・・『死ぬ間際に、あのときやっておけば・・・』そんな後悔は絶対にしたくない。夢実現への挑戦。やらずに後悔するより、やってから後悔しよう・・・。」そしてこのとき、1枚の人生プランを書き綴りました。
「絶対に世界一周をやってやるー。」今思えば本当に強引な決意でしたね。(笑)
(写真:強引な人生プラン、決意書を作ってしまいました。)
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>『死ぬ間際に、あのときやっておけば・・・』そんな後悔は絶対にしたくない。
ジーン、かっこいい。
そうだ!後悔だけはダメだ!
後悔しないためにも、わたしは今日のランチは焼肉にすることをここに宣言します!
・・・まったく重みのない決意でした。
お腹すいた。
決意書。重みを感じます。
ところで待井さんは、今現在も今後の決意書みたいなものをお持ちなんでしょうか?