02_tsuchiya

72時間は、長いか短いか?

「バカは風邪引かない」と豪語していたのに、ひどいインフルエンザにとっ捕まって6日間熱が乱高下、寝たきり状態が続いた。Bロシア型だそうだ。
発症して48時間以内に飲むと劇的に改善する薬があったというのに、週末を挟んでしまったためにアウト。ひたすら自然治癒力に任すしかない1週間だった。高熱はきつい。解熱剤を飲むと、菌が生き延びるのだという。

これに懲りて、来年は予防接種を受ける事にしよう。若くもないことだし、肺炎で死にかけたこともあるし..。
熱のある間、ダイエットはすっかり横に置いて、体力を落とすまいとしゃにむに食べた。しかし治まってみると、大事に育ててきた筋肉はげっそり落ち、見る影もない。

元全日本チャンピオンの清野さんは、せっかく鍛えた筋肉も、72時間トレーニングを休むと、すっかり元に戻ってしまうのだと何時も言っている。
彼の、現役を止めても(いや、未だ現役の選手なのかもしれないが)自転車に乗るためのコンディションを高く保つ努力には、敬意を表するばかりだ。

ともすればストイックな感じになりがちなそうした努力を、楽しみながら、むしろ遊び感覚のようにこなしているのが、たいそう気に入っている。
トップライダーとおばさんライダーが、大まじめに筋肉の話をするのもおかしいのだが、私たちは何かに付けてよくそんな話をする仲間である。私たちは、どこか似たようなとこがあるのかもしれない。

その彼が、病み上がりでがっくりしている私に、こういってくれた。
「土屋さん、焦らずにゆっくり回復を。誰でも元のレベルまでには、必らず戻れるはず。そしてその後には、もしかするとそれ以上のものが手に入るという楽しみがあるかも。自転車の選手たちは、そうやって、怪我や、病気やトラブルを乗り越えて、前よりも強くなっていくじゃないですか!」

バカな私は一寸いい気分になって、長距離を走るための柔らかい筋肉を、また一から育てていくっきゃないと、心に誓ったのである。

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コメント1

sotaro :

はじめまして。
こんなことを思いました。
僕は趣味で楽器を演ります。
楽器も、『一日練習を休めば取り戻すのに三日かかる。』
とよく云われます。特に日本のクラッシック教育では。
しかし、よく休んだ後に思いがけずいままで出したくても出せなかった音色が出せたりします。不思議です。でも不思議の内訳もなんとなくわかったりします。
またその時は久しぶりに触れる楽器の感触、弓の毛を弦にこする感触というのを今まで以上に新鮮に感じ、楽器を弾く楽しみを素直に感じます。
自転車を漕ぐことと楽器を弾くことは、根本で違うところがありましょうが、休んでしまったときに感じる悔しさや焦りは、なによりもその行為の楽しさ、喜びを知っていることの裏返しですよね。
あっ今またこんな言葉を思い出しました。『ジャズとは行為である。』どのジャズマンが云っていたかは失念いたしました。なんでも歯を磨いてるときも、メシ食ってるときも、ウタタネしているときも全てジャズである、と。すごく説得力がある言葉に思えました。
シリワレワレ、もとい支離滅裂になってきました。
土屋さんとは面識がございませんので、以上のコメントが適切かどうか判りませんが載っけてしまいました。

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