00_power book

「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」

1999年、2000年と連続ツールドフランスを総合優勝したアームストロングの自伝。断っておきますと、私は彼のファンではありません。

他の誰よりも野心が強い若干25歳のサイクリストに突如睾丸癌が発症、

「かなり深刻な状態です。肺に広範囲の転移をしています。生存率20%」

と告知されてしまいます。

実は私、先入観でこの本が

「だけど気合いで治してやったぜ!誰だって頑張れば癌を克服できるのだ! 大切なのは信じ抜くことなんだ。それみろツールドフランス二連覇だ、オリンピックだ、僕は走り続けるぞ、自転車もこの人生も!俺って最高!」

と言う類のものかと決めて掛かっていたのでなかなか手が伸びなかったのですが、読了してまず一言、素晴らしい面白さ!私が間違ってました。廊下に立っときます。

原題は "It's not about the bike"。直訳すれば 「自転車の話ではない」 程度でしょうが、反して本書の内容は自転車(競技)について満載なのです。これは癌を克服する話であって自転車は中心ではないよと言いつつ、そして、自転車なんかよりももっともっと大切なことがあるんだ!と言いつつ、あー、やっぱり自転車!!という内容が、全ての自転車人間の心をくすぐるでしょう。

闘病で化学療法に苦しみ耐え抜く場面や、母リンダや妻キークや看護婦ラトリーヌなど周囲の支えや励ましの場面では否が応でも感動させられ(私は涙もろいのです)、諦めずに生きると言うこととは何か?と、あごに手を当てて考えさせられる実話に基づく話に納得感動、思わずまたまたホロリです(私は人一倍涙もろいのです)。恋愛もあるよ。
とはいえ、この本の最大の魅力は人間ドキュメンタリーの面に宿っているのではありません。

「僕は足がもげんばかりにペダルをこぎ、ぶっちぎりで賞金を獲得した。」

という一文に興奮を覚えた方、この本はこういう文が山盛りになっております。

1999、2000年のツールドフランスのビデオを合わせて見ると余計に楽しめます。どれどれビデオを見てみると…むむむ、アームストロング強すぎ!ということで、自転車で速く走る事やエレベーターでインドュラインと言葉を交わす事に興味のある人、必読。

☆☆☆☆★★(☆=20点、★=5点)

power(2001/01/07)

注:このレビューは、2001/01/07に旧power's cycle diaryにて掲載したものを、今般訂正・加筆したものです。

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コメント4

ラル :

powerさん初めましてBlogリンクして頂きましてありがとうございました。
「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」・・・読んでみたくなりました。これからもよろしくおねがいします。
またちょくちょく遊びにきます。

power :

@わ 様
そうですか。やっぱり桃は果物の中で最高ですか。
むおー。食べたくなってきました!

タクヤ 様
この本、可成り面白いですよね。面白いというより、感動します。
記憶力が滅法弱い私は、書かれていた内容は殆どすっかり忘れてしまいましたが、
「感動した」
という事だけはしっかりと脳裏に刻まれています。

ところで、タクヤさんから本を借りたままなのは私ではない!!!!!!だれや!!
とこの場をお借りして宣言させて頂きます。

昨日Jacobに出会いましたら、アメリカのおみやげだと言って、Live Strongの黄色いバンドをくれました。

タクヤ :

僕もこの本大好きです。
誰に貸したか忘れたけど、もしこのコメントを読んでたら早く返してください。

僕がグッとくるのはランスの選手への復帰のくだりです。未読の方は以下のコメントは読まないほうが泣けるかも。

癌を克服し再びロードレーサーにまたがるランス。
しかしママチャリのおばさんにまで追い越されてしまう。
他人事ではありません。僕もよくぬかれます。
そしてレースに復帰するも、モチベーションを失うランス。
そんな彼が、昔レースで攻めた山に練習に行き眼にする道路に書かれた文字。

”Viva Lance!” 「生きろ!ランス!」

毎回ここで泣いてしまいます。
どちらかというと人生踏み外してる僕の心にも”Live Strong"のメッセージが伝わってきます。

@わ :

病気や怪我で選手としての活躍を制限されてしまう人たちが沢山います。
私の故郷にもそんなスポーツ選手がいます。
サッカーの小倉選手です。
かつて「決定力のない日本代表」と言われる時、それは「小倉選手さえいれば」という裏返しだったと思います。
彼は今甲府で活躍しています。
同じ郷土の選手である中西選手とともに、彼がまだ活躍していてそれを見聞きすることができることは、僕の励みのひとつでもあります。

ところで、powerさん。そんな小倉選手とあなたはとても共通することがあります。

☆「甲府へ来てよかったことはなんですか?」(山梨県・甲府っ子さんより)
 桃がおいしかったことです。フルーツで、桃が1番好きなんですけど、期待通りに桃がいつもたくさんあって、あほみたいに持って帰ってましたよ(笑)。(小倉選手)

http://www.city.kofu.yamanashi.jp/favorite/freekick/03fw162.htm

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