昇平と草太。異なる気性を有する同い年の二人の成長が、自転車と織りなされて描かれる成長小説です。
4歳の昇平は初めて自転車に乗れた日に、アクシデントで草太の家の庭にその自転車で突っ込んでしまいます。それ以来親友となったこの二人は、小学・中学・高校・大学・社会人とその成長過程に応じて、自転車で遠出をしてみたり受験をしたり海までサイクリングをしたり恋をしたり自転車競技に打ち込んだり自転車レースを作ったりします。って自転車ばかりなのです。
はっきり申しますと、この本は自転車×青春(人生)本ならぬ、自転車本で最高級の面白さです。なぜか。内容が自転車に関することばかりだからではありません。自転車を題材にすればそれ即ち面白いなんていうことはありえないのです。ストーリーが手に汗握るから、ということもありません。ありそうと言えばありそうなストーリーです。そんなことではないのです。私がこの本に猛烈な読み甲斐を認める理由、それは、「ペダルをこいでいる時の思想が見事に表現されているから」です!昇平や草太は人生の局面で、はたまた日常で自転車に乗りながら、あーだこーだと色々なことを考えるのです。どのような道を走っているのかによって考えが変化したり、それがまとまったりしてゆくのです。
圧巻なのは9章「300キロの助走距離」で、草太が一人で東京から日本海まで走る場面です。彼は自転車で疾走しながらそれまでに起こった出来事や悩みに想いを巡らせるのですが・・サイクリングの感覚がこれほどまで緻密にそして正確に表現されている文があったでしょうか。まるで自分が走っているかのような爽快感にとらわれました。これからは自転車に乗らずにこの本を読みます。言い過ぎました。やっぱり本よりも自転車に乗ります。
少し穿った見方をしてみるならば、この本は単なる成長小説にとどまらず、人生と自転車のかかわりについての示唆を与えてくれています。
昇平や草太が行うように自転車という道具に乗りつつものを考え、坂を上り、峠を越えてトンネルを抜け、ハイスピードで坂を下るとき、人はだれしも自分の人生をその走りになぞらえ、反芻することができるのではないでしょうか。そう、自転車に乗り“ながら”思考を回転させるときに初めて、「自転車=ライフスタイル」になるのである。なんてことを考えさせられました。
2段組で413ページもあるにもかかわらず、特に長いとも感じません。品を感じさせる文体も爽やか。思わず2回読んでしまいました。マスターピース。
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BABAさん、こんにちは。
私も今年の正月に「ダビンチコード」を読みましたが、なかなか面白かったです。
「自転車少年記」の感想もお聞かせ下さい!
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SORA様、はじめまして。
なんだか色々と読んで頂いたようで、恐縮です!
SORAさんも「自転車少年記」を堪能されましたか。
「マスターピース」なんて評してみましたが、本当に素晴らしい本だと思います。
作者の竹内さんは、きっと自転車(に乗ること)がお好きに違いない。と読み進めながら確信しました。
そんなことよりも気になることがあります。
>130kmと短距離
ってどういうことなんですか!桁が一桁多すぎやしませんか?
私もそのような発言をしてみたい・・
「130kmって短距離ですね」
あ、言えた!
はじめまして、SORAといいます。
先日、このHPを訪れる機会があり、POWERさんの超COOLな文体で綴る、自転車への最高に熱い思いにヤラレました。自転車とは、最もHOTなライフスタイルであり、最高の意匠をもつ乗物でもあることを再確認した次第。
その日は130kmと短距離でしたが、キツイ峠を攻めていたので疲れていたのに、前のHPまですっかり堪能いたしました。(夜中までかかって、おかげで翌朝つらかった~)
『自転車少年記』読みました。
2人の躓いたとき、立ち止まったときには必ず自転車で道を切り開いていく様が爽快でした。サドル上での決断は、常に前向きなのですね。文中で、「自転車にはバックギアが無い。」と語られ、ポジティブの象徴として表現されており、うんうんと共感せずにはいられませんでした。
それと、草太のBikesがロードレーサーと呼称されるのが始め、気になりました。文中の時代は、そういってたのでしょうが、カッコ悪い呼称だと。勝ち負けを決めるだけの道具じゃないし、“ロードバイク”と呼ぶほうがかっこいいと思ってました。
でも、ソータにとってのそれは、自分の弱さに勝つための機材として描かれているので、その呼称はぴったりなのですね。そして“ロードレーサー”というのもちょっと特別な感じがしてカッコイイかも、と思い直しました。
すばらしい本を教えていただきありがとうございました。
とりとめのない長文で失礼しました。
「自転車少年記」さっそくポチりました!
届きました!
…『ダビンチ・コード』の次に読みます!
↑↑↑↑
結構おもしろいです。