1986年製作、ケビン・ベーコン主演の青春自転車映画。トム・ドネリー監督。サンフランシスコ屈指の若者証券ブローカー、ジャック・ケイシー(ケビン・ベーコン)はカンが外れて巨万の富を一瞬にして失ってしまう。失意のどん底でふらふら街をさまよっていると、目に入るは一台の自転車・・・。次のシーン、彼はメッセンジャーになる。あら。
さわやかな恋愛あり、メキシコ人との友情あり、悪役との対決(もちろん最後には勝利!)あり、と映画の面白さてんこもり!で非の打ち所の無いストーリーなので、自転車に特に興味がない普通の方にとっては、ヒマでヒマで他にやることがない!という時に観るのがおすすめです。
しかし、街の中を自転車で走ることに意識的な諸兄はお昼を抜いてでも観るべきです。これほどまでに自転車が画面に映し出される映画を見たことがあったろうか?いや、ない。車の渋滞の隙間をすいすい抜けて走るカメラワークに、急に飛び出て来た車に衝突する瞬間の自転車の挙動に、隣を走る車と顔をにらみ合いながら競争するシーンに、ボーっと座って観ていた私はあっと息をのみ、ハラショー!と立ち上がり、おもむろに座ったのでした。
この映画は青春ストーリーの中に自転車が用いられているから面白いのではありません。仕事はメッセンジャー。息抜きはサイクルフィギュア。アーチストの彼女とはおうちで二人乗り。お金よりもビジネスよりも更に大切なものがあるんだ。それは、自転車。と、自転車と生活との一体感がひたすら貫かれている点、それがこの映画を観る全てのサイクリストの心を揺さぶり、くぎ付けにするのです。
一方、幾つか気になる点もあります。
- 1.まず、証券の世界にとどまる友人から喫茶店で復帰を促されるが、それを断り「自転車で街を走る気分は最高なんだ・・・」と言う場面。このシーンはこの映画のハイライトです。が、甘すぎる。「その街を抜け、自然の中を、山の中を走る気分はもっとバチグンなんだ!それを知らぬのか!」と私は嘆いたのでした。
- 2.それから、ギアの選択。冒頭、タクシーと勝負するシーンではギアが軽すぎます。回し過ぎ。加速すべき時にフリーがアップで映され、ギアチェンジすることがわかるのですが、なんとここで、内側の大きなギアにかけ変わるのです。「ここでギアを落とすヤツがおるかぁー!」と私は立ち上がり、おもむろに座ったのでした。
- 3.最後に、車に乗る悪者(ジプシー)との対決シーン。自動車よりも自転車の方が優れていることの証明を見事に描ききっているが、ギアが重すぎる。少し踏みすぎ。「ペダルはそんなに踏むのではない、もっとうまく回すんだ!」と私は立ち上がったのでした。
とはいえ、サンフランシスコの激坂を飛びながら下るローレンス・フィッシュバーンとの勝負シーンは彼の出演した最も有名であろう映画「マトリックス」の映像を凌駕しており、今後3世紀の間は越えることができない映像であろう。と私はエンドクレジットを眺めながら静かに頷いたのでした。
自転車街乗り好き、且つ映画好きを標榜する方でこの映画を見たことが無い人は信用できないのでそこんとこヨロシク!
注:このレビューは、2002/02/16に旧power's cycle diaryにて掲載したものを、今般訂正・加筆したものです。
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ケビン・ベーコンの映画の中でも好きな作品ですね。
私はこれを見て自転車に目覚めました!
ホイチョイの映画「メッセンジャー」はオープニングのセピア調の場面からタイトルの効果音までモロパクリで「恥ずかしくないのか?」と思ったほどでした。
私も好きなシーンは休憩時間にメンバーがいろんな技を披露するシーンですね!
自分も、メッセンジャー、ケビン・ベーコンというキーワードを耳にすると、この映画を思い出します。ただレンタルビデオ屋で探してもなかなかみつからないし、深夜放送でもやらないので、記憶の片隅に追いやられておりました。薄い記憶の中では恥ずかしい音楽も、ファッションも、自転車の描写も美しいままだったので、見ないほうが良いかもしれませんね~w
観たときにすごく気に入ったのに、一般的に"B級"という評価の映画だった為に、それっきり観れないでいる映画ってありませんか?自分はウッディ・アレンの"ブロードウェイのダニーローズ"っていう映画をみて号泣したのですが・・・・・。こっれてB級コメディのはずなので、なぜあんなに自分の奥深いところにコミットしたのかいまだに謎なのです。なにがどうだったのか、本当に泣ける内容だったのか確かめてみたいのですが、観る機会には恵まれません。
ぜんぜん自転車とは関係ないコメントでしたwすいません。
止まる直前に、サドルを片手でつかんで真後ろに自転車から降りる「クイックシルバー降り」というのがあります。
それとセットで、乗るときは、脚を後ろから廻すのでなく、前からハンドルをまたいでシュパッっとサドルにまたがります。これは何とよぶか知りません。
映画の影響力ってすごいですね。
僕が一番好きなシーンはオフィスの前でメッセンジャーがたむろしながら、変な技を披露するとこです。
気になる点
.フィッシュバーンとJones坂を下る対決シーンで、ケビン.ベーコンが固定ギア(ノーブレーキ)を脚をとめてフリー走行している。
.サイクルフィギュアのシーンで、いきなりチェーンリングが小さくなってギア比が軽くなってる。その上ペグ(二人乗りとかBMXのあれ)がいきなり現れる。
.「フラッシュダンス」みたいな恥ずかしい音楽。
.同じく恥ずかしいファッション。
.「お前はデカイ口ばかりたたいてるから空気抵抗が大きいんだ。」というセリフ。言ってるケビン.ベーコンの口もスティーブン.タイラー並にでかい。