とんだサングラス事件
自転車世界一周中、11カ国目に訪れたカリブ海のセントルシアという国でのことです。山間部をキョロキョロしながら走っていました。すると、右側から一人の男が近寄って来ました。そして、
「やあやあ、君はどこへ行くんだい。」
「いや、あのー島を1周しようと思っているのですが・・・。」
「そうか、それならこの道を真っ直ぐだ。とにかく真っ直ぐだ。」
別に聞かなくても分かっているのになあ。変な事を言う奴だなあ。きっと親切な人なのだろう。そう思って走り去ろうとしました。 再びペダルを踏み出し、何分か経ち、サングラスをしようと思ってフロントバックを見ると、
「あ、ない!サングラスがない。」
バックの中にしまうわけもないし、いつもこのフロントバックに挟むはず。
「おかしいなあ。もしや、あの男・・・」
ピンときたので早速来た道を戻り、さっきの男に会いに行きました。すると、そのまぬけ男はサングラスをかけ、岩の上にひょっこりと座っているではありませんか。
「あー、僕のレイバンのサングラス、あの野郎ー!」
僕の姿を見た男、慌ててサングラスを外し、していない振り。
「フフ、バカめ。もう遅い。現行犯だ。」
彼に近づき、
「サングラス返してくれよ!」
そう言うと、
「おまえが忘れたくせに、何言ってるんだ。新しいのを買えば50USドルする。だから20USドルくれれば返してやる。」
「ちょっ、ちょっと待ってくれ、それはマイサングラスで、おまえが勝手に盗ったんだろう。」
すると男は、
「あなたは何て悪い人なんだ、忘れたのはあなたじゃないか。」
「・・・忘れた??」
僕は完全に怒ってしまった。でも逃げられても嫌なので、
「頼むからサングラス返してくれよー。」
と泣きに入った。でも効果ない。腕尽くで取り返す訳にも行かず、必死に懇願してサングラス奪回作戦に出た。しかし奴は応じない。
「僕はサングラス買う余裕は無いんだ。貧乏なんだ、返してくれよ。」
日本からカリブ海にサイクリングにやって来て、貧乏というのは大嘘になってしまいますが、レイバンのサングラスは高いのです。懇願した末、イーストカリビアン10ドル(約500円)を払ってくれたら返す。とのこと。盗られた自分の物にどうしてお金を払わなきゃならないんだ?そんな疑問もありましたが、お金を払わないと拉致があかないし、ということで商談は成立しました。
問題はその後でした。僕がサングラスを受けとって、彼にそのままお金を払えば良いのですが、僕がお金を払わないんじゃないかと、交換条件を出してきました。男は道の向こうに置いてある僕の自転車を指差し、
「オレはこのサングラスをおまえの自転車のバックの上に置く。その間におまえは向こうの道の真中に10ドル札を置くんだ。」
彼は大まじめな顔。
「おいおい、テレビの見過ぎじゃん。」
我々の取引は無事成立。レイバンのサングラスは手元に戻りました。取引価格500円。セントルシアでの楽しい話のネタ代と思えば安いような気もします。
自転車旅行の魅力はやはり、こうして地元の人と触れ合える?こと。そして交流を深める?ことができる点です。バスや車では簡単に通過してしまう「道」でも、ゆっくりの自転車移動ならば、本当に多くの物語が生まれる、だからやっぱり自転車なんですね。
<写真右:野宿している近所で出会った地元の青年、ジュリアス君。朝から揚げ物を作っていました。>
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あぁ、待井さん・・・・笑いました。その悪い人は本当に、テレビの見過ぎですね!!!
それにしても、カリブ海・・・・セントルシア・・・・、どこにあるんだっけ・・・・あとで待井さんの世界一周CDで確認してみよう~。
世の中には、盗っておいてお金をせびる奴もいるんですねぇ。
うーん、悪い奴だー。
待井さんが世界を一周する間に出会った、"もっとも悪い奴"って、一体どんな人なんでしょうね。気になります。いつか記事で書いてください♪
ごほん。わたしもココで一言。
「高知の道の駅で、わたしのチキンカツサンドを盗った奴!!!コラー!返せ~!!!!!」
・・・・・気が済みました。